相続税基礎知識に関するコラム
数次相続が発生した場合の不動産の相続登記
不動産の相続登記とは、不動産の所有者が亡くなった場合に、その不動産の登記名義を被相続人(亡くなった方)から相続人へ名義の変更を行うことをいいます。
数次相続が起こり、最終的に相続人が一人になった場合の遺産分割協議は?
(一次相続)被相続人 父 法定相続人 母・子
(二次相続)被相続人 母 法定相続人 子
図のケースのように、父に相次ぎ母が亡くなった数次相続における相続人が一人のケースでは、父と母の遺産は、当然子が一人で受け継ぐべき財産となるため、遺産を分割する必要はありません。
ですが、相続人である子は、父の遺産に関して分割協議する前に母が亡くなったため、父の遺産は民法が定めている法定相続分の二分の一ずつ母と分配したうえで、その後、母の遺産を受け継ぐ流れになります。
そこで相続登記に影響してくることは、数次相続が起こり最終的に相続人が一人になった場合、遺産分割協議できない状況となり中間省略登記ができないということになります。
中間省略登記とは
当初の名義人から、中間の相続した名義人を飛ばして、いきなり最後の名義人に変更する不動産登記のことです。
一つの不動産に対して中間に相続人が、複数か単独で相続されているかで相続登記の手続きに係る費用が変わってきます。
中間省略登記の条件を満たせば、中間の相続登記を省略、その名義変更など登記申請に係る費用が一回免除されるというわけです。
その条件とは…
中間の相続人が一人であること
(※複数の相続人でも①遺言②遺産分割などで単独で相続すれば、中間省略登記は可能)
👉現在、登録免許税を課さない特例が期限付きで追加されました!
❐ 登録免許税の免税措置 (適用:令和4年3月31日まで)
相続による土地の所有権の移転登記等に対する登録免許税の免税措置が期限付きの特例で適用されています。(租税特別措置法第84条の2の3第1項)
適用期限は平成30年4月1日から令和4年3月31日までの間に、その死亡した個人をその土地の所有権の登記名義人とするために受ける登記については、登録免許税を課さないという措置です。
また、令和3年度の税制改正により少額の土地を相続により取得した場合の登録免許税の免税措置について、特例が追加されました。
適用対象に一定の土地の所有権の保存登記又は相続による所有権の移転登記を受ける場合において、条件をクリアすれば、登録免許税を課さないという特例となります。