相続税基礎知識に関するコラム
その他の財産の評価
【現預金の評価方法】
- 普通預金・・・預入残高
- 定期預金・・・預入残高+既経過利子-既経過利子にかかる源泉徴収額(20%分)
【利付公社債の評価方法】
- 上場銘柄・・・・・・・・・・相続開始日の最終価格+既経過収益額-源泉所得税相当額
- 売買参考統計値公表銘柄・・・相続開始日の平均値+既経過収益額-源泉所得税相当額
- その他の利付公社債・・・・・発行価額+既経過収益額-源泉所得税相当額
【割引発行の公社債の評価方法】
- 上場銘柄・・・相続開始日の最終価格
- 売買参考統計値公表銘柄・・・相続開始日の平均値
- その他の割引発行公社債・・・発行価額+(券面額-発行価額)×発行日から課税時期までの日数÷発行日から償還期限までの日数
【貸付信託・投資信託の受益証券の評価方法】
- 貸付信託の受益証券・・・元本の額+既経過収益額-源泉所得税相当額-買取割引料
- 証券投資信託の受益証券・・・1口当たりの基準価額×口数-解約請求した場合の源泉徴収所得税額-解約手数料
- 上場している証券投信の受益証券・・・上場株式の評価方法と同じ
【ゴルフ会員権の評価方法】
- すぐに預託金が返還される場合・・・相続開始日の取引価格×70%+預託金の返還金額
- 一定期間後に預託金が返還される場合・・・相続開始日の取引価格×70%+基準年利率による預託金の複利現価額
- プレー権のみの会員権・・・評価額ゼロ
【骨董品・書画の評価方法】
- 販売業者が保有する場合・・・棚卸資産として評価(原則、取得原価)
- 一般の人が保有する場合・・・売買実例価額、精通者意見価格等を参酌して評価
実務的には、以下のような方法が考えられます。
- 同様の物が売られている場合にその価格を参考にする
- 買い取会社等の買い取り査定価格を参考にする
- 古美術商などに鑑定価格を出してもらう
- 購入価格が分かればその価格を参考にする
【家財道具の評価方法】
- 原則・・・死亡時にその財産をその時点の状態で取得するとした場合にかかる金額
- 例外・・・新しいものを購入した場合の金額から減価償却費を差し引いた金額
- 1個の評価金額が5万円以下のもの・・・家財道具1式として、一括して評価する(ここに評価することは煩雑であるため)
【生命保険に関する権利の評価方法】
保険契約を解約したときに支払われる解約返戻金の金額
【自動車】
相続開始日時点の時価で評価します。
実務的には、以下のような方法が考えられます。
- 中古車買取り業者の査定価格を参考にする
- 車種、年式、走行距離などを勘案し、売出中の中古車価格を参考にする
- 実際の売却価格を参考にする
- 相続開始時の新品価格から減価償却相当額を控除した価格
上記のように、財産の評価方法は多岐に渡りますので、ひとつひとつ慎重に行う必要があります。