相続税基礎知識に関するコラム
上場株式の評価
上場株式とは、金融商品取引所に上場されている株式をいいます。
上場株式は、原則としてその株式が上場されている金融商品取引所が公表する課税時期の最終価格によって評価します。課税時期とは、被相続人が死亡した日や贈与を受けた日のことです。
ただし、課税時期の最終価格が、次の三つの価額のうち最も低い価額を超える場合は、その最も低い価額により評価します。
- 課税時期の月の毎日の最終価格の平均額
- 課税時期の月の前月の毎日の最終価格の平均額
- 課税時期の月の前々月の毎日の最終価格の平均額
例
被相続人が上場A株式を10万株保有しており、
1.相続開始日の終値=9,000円
2.相続開始月の終値の平均=8,800円
3.相続開始月の前月の終値の平均=9,200円
4.相続開始月の前々月の終値の平均=9,400円
であった場合、
最も低い2.相続開始月の終値の平均=8,800円で評価するため、
株式の相続税評価額=8,800円×10万株=8億8千万円 となります。
このように、上場株式の評価は、相続開始日の終値・相続開始月の終値の平均・相続開始月の前月の終値の平均・相続開始月の前々月の終値の平均のうち、最も低い金額を採用します。
なお、課税時期に最終価格がない場合やその株式に権利落などがある場合には、一定の修正をすることになっています。
また、負担付贈与や個人間の対価を伴う取引で取得した上場株式は、その株式が上場されている金融商品取引所の公表する課税時期の最終価格によって評価します。